📘 概要
Zabbix との連携が完了したら、次はダッシュボード設計の段階に進む。
本記事では、単にテンプレートを読み込むだけではなく、
運用担当者が CPU・メモリ・ディスク・ネットワークなど主要指標をまとめて解釈できる、
実務向け Grafana ダッシュボードを構築する。
ダッシュボードとは、ただのグラフ集ではなく、
「障害が発生した際、どこから疑うべきか」 を視覚化する運用マップだ。
1. フォルダとダッシュボードの作成
1.1 フォルダ作成(任意)
Grafana では複数のサーバー群や指標群を整理する場合、
フォルダを使うとダッシュボードの構造管理が容易になる。
Menu → Dashboards → New → New folder
例:example → Create


1.2 ダッシュボード作成
フォルダ内で新規ダッシュボードを作成する。
Menu → Dashboards → example → New dashboard → Add visualization


2. 最初のパネル:CPU 使用率
2.1 基本クエリ設定
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Data source | Zabbix |
| Query Type | Metrics |
| Group | 任意選択(例:Example Group) |
| Host | 任意選択(例:example Server 01) |
| Item | CPU utilization / CPU user time / CPU system time / CPU iowait time / CPU idle time |

2.2 推奨可視化オプション
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| Visualization | Time series |
| Title | CPU 使用状況 |
| Values | Mean / Max / Min |
| Mode | Table(任意) |
| Placement | Right(任意) |



2.3 必須項目を選ぶ理由
| 項目 | 運用上の意味 |
|---|---|
| CPU utilization | 全体負荷の基準 |
| CPU user time | ユーザープロセス負荷の推移 |
| CPU system time | カーネル/システムコール比率(I/O 集中時に上昇) |
| CPU iowait time | ディスクボトルネック判断 |
| CPU idle time | CPU の空き状況 |
⚙️ 高性能サーバーや仮想化環境では次の項目追加も推奨
- CPU steal time → ハイパーバイザーのリソース競合を検知
- CPU nice time → 低優先度プロセスの比率
- CPU softirq time → ネットワーク割り込み集中の有無
3. 値処理関数の選択(Last vs Last*)
Grafana の Zabbix データには Null が混ざることが多い。
正しい表示のためには「最終値をどう扱うか」が重要となる。
| 状況 | 関数 | 説明 |
|---|---|---|
| 正常収集環境 | Last | 単純に最後のデータポイントを返す |
| 収集が不定期・遅延あり | Last* | 最後の有効(non-null)値を返す |
| 途切れ防止 | Last* | 表示の安定性を確保 |
✅ 実務では Last を使用するのが一般的*
収集ギャップがあっても直近の正常値を保つため、視覚的な乱れを防げる。
4. 運用指標の相関構成
優れたダッシュボードは、ただ指標を並べるのではなく
「異常 → 原因候補 → 根本原因」 が辿れる構造になっている。
例:
- CPU パネルで負荷の兆候を確認
↓ - Disk I/O パネルでボトルネックを確認
↓ - Memory/Process パネルで原因追跡
↓ - Network パネルで外部影響を調査
このように、パネル同士が論理的につながることで
障害の「流れ」が一目で分かる。
つまり “グラフの数” より “意味のある関係性” が重要 ということだ。
5. ダッシュボードの保存
設定を終えたらSave dashboard → Title → Save
例:example server
この後は同じ構造で Memory、Disk、Network パネルも追加していける。


6. 検証・チェックポイント
| 項目 | チェックポイント |
|---|---|
| データ収集 | リアルタイム更新が正しいか |
| 単位 | % や MB が正しいか |
| Null 表示 | Last* を適用したか |
| タイトル一貫性 | 全パネルで命名規則が統一されているか |
7. 次回予告
次の記事では、Grafana の変数(Variables)機能を利用し、
Group、Host、Item を動的に切り替えるダッシュボードの構築方法を説明する。
🛠 마지막 수정일: 2025.11.14
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